リハビリサポート琵琶だより10月号 NO107

リハビリサポート琵琶だより10月号

                                                 令和7年10月1日

                                                     NO107

「一人一人の防災意識を高めよう」

10月30日(木)13:30~14:30に『防災講習会』を実施します。通所利用中に災害が発生した場合を想定し、火災・水害・震災時の避難方法などについて消防署の方を講師にお迎えし、講習を行います。

少しずつ季節が移り変わり、朝夕には肌寒さを感じる日が多くなってまいりました。そろそろ衣替えの時期となり長袖を羽織って来所される利用者様も増えております。日中と夜間の寒暖差大きくなる季節です。体調を崩しやすくなりますので、衣服の調節や体調管理にご留意くださいますようお願いします。

さて皆さんは物忘れしたことはありますか?今月は“もの忘れ”について少しお話しようと思います。

◆もの忘れと軽度認知障害(MCI)

高齢になれば誰もがもの忘れをするようになりますが、加齢による普通のもの忘れと認知症によるもの忘れは違います。たとえば、朝食で何を食べたか思い出せないという「体験の一部」を忘れるのは普通のもの忘れですが、朝食の「体験のすべて」を忘れてしまう場合は、認知症によるもの忘れが疑われます。認知症は進行すれば日常生活にも支障が出る病気なので注意が必要です。

普通のもの忘れ

認知症によるもの忘れ

・体験や出来事の「一部」を忘れる ・体験や出来事の「すべて」を忘れてしまう

・ヒントがあれば思い出す事ができる

・ヒントがあっても思いだせない
・人や場所までわからなくなる事はない ・人や場所まで分からなくなる事がある
・もの忘れをしている自覚がある ・もの忘れをしている自覚がない

 

◆こんな事が重なれば軽度認知症かもしれません

軽度認知障害の段階では、もの忘れなど認知機能の衰えがあっても、日常生活はおおむね正常に送ることができますが、次のような事が重なるようになります。特に「意欲の低下」には注意しましょう。

 

①何をしようとしていたか忘れる

「隣の部屋に探し物に行ったら、何を探しに来たのか思い出せない」など、今何をしようとしていたのかわからなくなる。

②日付や曜日などが解らなくなる

何かのイベントを思い出そうとしても、どのくらい前の事なのか、日時などが解らなくなるようなことがある。

③話を理解するのが困難に

「もしこうなったらこうで、そうでなかったらこう」といった少し複雑な内容の話を理解することが難しく、受け答えなどがままならないことがある。

④性格が変化する

疑い深くなったり、怒りっぽくなったりする。これは記憶障害などで、自分に自信がなくなったり、いらだったりするためと言われている。

⑤意欲が低下する

長年の趣味をやめることなどがある。生きがいになっていたようなことをやめてしまうのは危険な徴候。うつ病の場合もあるので要注意。

 

◆早期発見と早期対応が大切

認知症は、時間と共に症状が進行する病気です。早期に発見して適切に対処する事で、その人らしい豊かな暮らしを続ける事できます。特に、軽度認知障害の段階で発見できれば、運動習慣などの生活習慣の改善で、正常な状態への回復、認知症への移行の予防、症状の進行の先送りなどが期待できます。

 

◆かかりつけ医に相談しましょう

「もの忘れが多くなってきた」「軽度認知障害かもしれない」と思ったら、まずは「かかりつけ医」に相談してみましょう。必要に応じて、専門の医療機関など紹介してくれます。できるだけ家族が付き添って受診しましょう。又、もの忘れ外来がある医療機関や近くの地域包括支援センターなどに相談してみるのもよいでしょう。

 

◆認知機能の衰えを防ぐ生活習慣

運動(身体活動)

・運動習慣(週3日以上など)を身につける

・ウォーキングなど有酸素運動やスクワットなど筋力トレーニングを自分のペースで行う

・掃除や洗濯など、普段の家事で体を動かす

 

社会参加

・外出する機会を増やす 

・仕事を辞めても、地域の行事やボランティア活動などに積極的に参加する

・同居をする人以外とも会話をする機会を増やす

 

食事

・朝・昼・夜、栄養バランスよく食べる

・野菜や、果物、魚など抗酸化、抗炎症作用を持つ食品を積極的に食べる

・季節感を出すなど食事を楽しむ事も大切

 

趣味など

・合唱や楽器演奏、ダンスなど、参加する音楽活動を楽しむ

・囲碁や将棋、麻雀など対面で頭を使う趣味を持つ

・芸術活動(創作、鑑賞、批評など)する

 

喫煙・節酒・睡眠など

・喫煙していたら、できるだけ早く禁煙する

・お酒は飲みすぎないようにする

・耳が聞こえにくい人は補聴器などを使用する

・睡眠は、不眠だけでなく過眠にも注意する

 

持病の管理

・糖尿病の人は血糖管理を医師と協力して行う

・脳卒中の原因となる高血圧や脂質異常症などの注意する

・中年期は肥満、高齢者はやせ過ぎに注意する

活動紹介

~レクリエーション~

今月は「紐だし競争」。新聞紙で作られた細長い紙を、棒でいくつすくい出せるか?!皆さん真剣な表情で取り組まれる様子が伺えました。一枚ずつ丁寧に出す利用者さんや、何枚も重ね取り出す利用者さんがおられ、個性や性格が見受けられたレクリエーションでした。又、週の後半はグループ対抗戦に。チーム名も利用者さんで決め、掛け声を合わせ競争心むき出しに取り組まれていました。

~創作活動~

今月の創作は「ぶどうの吊るし飾り」。画用紙や折り紙を切って貼り付け、ぶどうの完成。ぶどうの実は沢山ある方がいいとの事で沢山実の詰まったぶどうが出来上がりました。「小鳥の目がない」と細部まで目の行き届く利用者さんは小鳥に目を書かれるなど、協力し合い、素敵なぶどうの吊るし飾りが出来上がりました。

~季節のおやつ~

京都光華女子大学より管理栄養士の実習生が2名来られていました。実習生さんが考えた手作りおやつが振舞われました。さつまいもを使用したプリンや、ぶどう大福など。季節を感じる事のできるおやつを堪能しました。

~びわ祭り~

コロナ禍以降中止となっていましたが、今年は7年ぶりに開催されました。以前のようにご家族の参加や飲食を伴った祭りではありませんでしたが、ボランティアグループ『百舌鳥』による懐かしの歌謡曲の演奏や『浜竜太鼓』による太鼓の演奏が行われました。和太鼓の迫力ある音に皆さん魅了されていました。

予定

10/27~10/31        口腔体操

11/3~11/7        カレンダー作り

11/10~11/14       季節のおやつ

11/17~11/21       レクリエーション

 

 

あとがき(令和7年10月)

秋風に揺れる草花や、色づき始めた木々に、季節の移ろいを感じる頃となりました。朝夕の空気も涼しくなり、過ごしやすい日が続いております。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

現在、滋賀県では「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025」が開催されています。ここ長浜市でも、柔道や相撲、ソフトテニス、ビーチバレーボールなど多くの競技が市内各所で行われ、全国から集まった選手たちが熱戦を繰り広げています。今月25日からは全国障害者スポーツ大会(障スポ)も始まり、フットソフトボールなどの競技が予定されており、地域全体がスポーツの力で盛り上がりを見せています。

スポーツは、見る人にも元気を与えてくれます。施設でも、選手たちの頑張る姿を話題にしたり、簡単な体操やレクリエーションに取り入れたりと、皆さまが楽しみながら体を動かすきっかけになっています。年齢を重ねても、できる範囲で体を動かし、笑顔で過ごすことは、心身の健康維持にもつながります。

地域で開催されるこのような大会を通じて、「また歩いてみよう」「外に出てみたい」と感じていただけたら嬉しく思います。

これからは朝晩の冷え込みが増してまいります。くれぐれもお身体に気をつけて、健やかな秋をお過ごしください。来月号もどうぞお楽しみに。